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第2回 自然科学教室 (長浜・夢永)

 7月26日(土)、第2回自然科学教室か開催されました。今回は、海辺の自然観察です。伊予灘を目指して出発しますが、途中、肱川沿いの自然観察も行いました。

 本日の参加者は、児童27名、指導者8名の合計35名です。

 最初の観察は、大洲市五郎の肱川にあるサギのコロニーです。ちょうど対岸に見ることができます。バスを降りてすぐに双眼鏡の使い方を習い、観察開始です。コロニーには、ダイサギ、アオサギ、カワウの巣や親鳥・幼鳥がいました。その下の河原にも、ダイサギ、アオサギ、カワウ、ゴイサギなどが見られました。

 次に、八多喜の竜王池です。ここは、大地の隆起によってできた肱川唯一の河跡湖です。河川敷で大地のメカニズムや河原に流れてきた岩石について勉強しました。ここには、ショウジョウトンボやチョウトンボなどのトンボ類やチョウ類、アカテガニなどのカニ類や魚類など生き物がたくさんいます。また、植物の観察もしました。この教室の恒例が、「見て、味わって、覚える」こと。河原に群生しているヤナギタデをかじって、その苦さに顔をしかめた子どもたち。そのほかにも、セリやマコモ、ヒルガオなどたくさんの植物を観察しました。

 いよいよ本日メインの一つ、長浜海岸に到着。まずは海岸の植物観察を行いました。ハマゴウやコウボウムギ、ハマウドなどを観察したり、ツルナの葉をかじってわずかな塩味を味わったりしました。続いて、海岸でみられる鳥の観察もしました。殊に、ここ長浜海岸はシロチドリ(愛媛県絶滅危惧種Ⅱ類)が見られる数少ない場所の一つです。この日は釣り人や観光客の影響でじっくり観察することはできませんでしたが、トコトコ歩く愛らしいその姿を見ることはできました。

 夢永海岸へ行く途中、大洲市と八幡浜市の境にある鵜の碆海岸に降りました。ここは、一見黒い石の海岸のように見えますが、実はその黒い石は、岩石ではなく「スラグ」という岩石を溶かし鉄や銅を取り出した後の残りかすが固まったものなのです。この辺りでは昭和30年頃まで含銅硫化鉄鋼という緑色片岩の鉱山があり、ここはその鉱石を精錬していたところで、精錬した銅や鉄を船で搬出し、不要なスラグを捨てていた場所なのだそうです。そこで、みんなでキラキラ輝く鉱石を拾いました。

 いよいよ最終目的地、夢永海岸に到着です。干潮の時間までに植物観察と地層の観察をしました。オニユリやママコノシリヌグイ、トベラ、シャリンバイなど、海岸に生える植物をたくさん観察しました。また、この海岸には大きな地層の褶曲や断層が見られます。地球の大きなパワーには驚きです。最後に、海辺の生き物を観察しました。いつの間にか潮の引いた海岸。潮の満ち干は月と太陽の引力の仕業。ちょうど大潮の干潮時刻とあって、絶好の観察環境となりました。子どもたちはそれぞれにドライバーや網、袋などをもって磯に散りました。マツバガイやヨメガカサ、ウノアシ、ムラサキイガイなどの貝類、イソガニやカメノテ、イソスジエビなどの節足動物、ホンダワラやウミトラノオ、ワカメ、テングサなどの海藻類、アゴハゼ、マダコ、バフンウニなどたくさんの生き物を見つけることができました。ただ、年々発見できる生物の種類や数が減少してきているのが心配です。子どもたちは、生き物探しに熱中し、時間が足らないくらい生き生きと活動していました。

 肱川中流から瀬戸内海にかけての自然観察に、みんな大満足の様子でした。